本「アーモンド」(著:ソン・ウォンビョン)★★☆☆☆

予想とのギャップ:★★☆☆☆
夢中になれる  :★★☆☆☆
発見あり    :★★★☆☆
総合      :★★☆☆☆

 

アーモンド

アーモンド

 

表紙の絵が好きじゃないので、これまで読む気が起きなかった本。
2020年本屋大賞翻訳小説部門1位ということで、読んでみることに。
軽くあっという間に読めてしまった。

私の感想は、「感情が分からない人がいるんだ」と1つ学んだ、こと。
あと、教科書的・一般的には「下記のような観点で考えさせられる」小説ということなんだろうな、と推測してる。面白くなくはないけど、教訓めいてる。

①生まれつき「感情」が分からない人がいる、と知る。感情のありがたみに気づく。
…プレゼントをもらってうれしい、友達と遊んで楽しい、引っ越して寂しいといった、普段その存在を当たり前に感じてる様々な”感情”。”感情”がないなんて考えたこともないし、良くも悪くもどうしても”何か”を思ってしまう感情。
主人公はその感情が感じられない、”感情”を知らないから、それがないことを残念がるわけでもない。
”感情”の存在を意識したことがなかったけれど、そのおかげで豊かな気持ち・毎日を送れるのかもしれない。

②親や近所の人の愛情深さに感動し、自分だったらどう行動できるか振り返る
…笑わない、喜ばない主人公。学校などで気味が悪いと思われてしまうけれど、その子自身を理解しようとして、正面から向き合う親、近所の人たち。愛情が深い、素晴らしいですねといったところ。

③共感が困難なことを自覚しつつも、友達との関係を深めようと努力する成長の軌跡
…主人公は親に教えられて、周りの人が自然に感じる喜怒哀楽といった感情を自分が分からないことを理解している。他人への興味もほぼなかった。
成長するにつれ友達と呼べる存在が出てくると、相手に興味が出てきて、何かしてあげたいと自分から行動するようになる。成長の軌跡によかったねと。