外出自粛とSF小説「火星の人」

2020.3.29付朝日新聞天声人語で、現在の新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とした「外出自粛」と宇宙ステーションでの閉じこもり生活を関連付けた文書があり、冒頭でSF小説「火星の人」にも触れてました。

「火星の人」(アンディ・ウィアー)ってどんな内容だっけ、と読んでみました。

火星の人

火星の人

 

 ↑昭和時代の小説かと思いきや、めちゃめちゃ最近。映画にもなってた

さすがに「不要不急の外出」を自粛しているだけの状況と、事故で火星に1人取り残された宇宙飛行士の状況を重ね合わせるのは無理がありますね。
今、私たちは「一人っきり」ではないし「食べ物が300日分しかない」わけでもないし「宇宙服なしで外に出たら死ぬ」わけでもない。比べようがないくらい恵まれてます。極力外に遊びに行かないで、家にいましょう、というだけ。

でもせっかくなので、真似したい主人公のすごいところを挙げると、

①ユーモアがある・楽しみをみつける
火星での生活を記録した日誌からは、自身を自虐的に表現したり(うっかり火星に置いて行かれたドジな人間)、同行者が残していったCDを聞いて趣味をからかったり、ちょっと楽しそう、と思わされるユーモア精神を感じます。
まともに、生き延びられる可能性がほとんどなさそうな厳しい現実と向かい合い続けると心理的にもつらいから、あえて現実を忘れて・逃げて楽しむひとときを持ってるんだろうなと思います。

②置かれた状況の中で何とかしようとする・あきらめない
食べ物を増やすためにじゃがいもを栽培したり、そのための水を確保したり、移動するための設備を何とかそこにあるものから整えたり、まーあきらめない。次から次へと発生する問題を解決するのに、すぐにはよい策を思いつけなくても、時間をかけて考え抜いて何とかしてしまう。専門的な科学知識が必要な場面が多々あって、そこはついていけなかったけれど、本質的には全然あきらめない姿勢が問題の解決につながってると思います。

別に今の「外出自粛」でなくても、ちょっとした逆境・うまくいかないときにもユーモアを忘れず、与えられた環境で何とかしようとする姿勢は大切そうですよね。
せっかくなので、映画(オデッセイ)も観てみます。