田中角栄 上司の心得(著:小林吉弥)★★★☆☆

期待とのギャップ:★★☆☆☆
夢中になれる :★★★☆☆
発見あり :★★★☆☆
総合 :★★★☆☆ 

田中角栄 上司の心得

田中角栄 上司の心得

  • 作者:小林 吉弥
  • 発売日: 2021/01/27
  • メディア: 単行本
 

自分とは1つも共通点がなさそうな大物政治家が対象人物ではあるが、”上司”という観点で何を語ってるんだろう?と読んでみた。
社会人2年目ともなると新人が入ってくるから、ほとんどの社会人が”上司”の立場にあると言えるということで、誰もが後輩がいるのはそうだなと思う。

予想どおり、何もかも遠い世界の話。
それでも、真似できたらいいと思う考え方、物事に向き合う姿勢があった。

1つ目は、相談事・頼まれごとには自身のできることを惜しみなく提供すること。
お金を引っ張って予算をつける権限、キーパーソンを動かす力、人脈などなどあらゆる影響力を使って応える。
かつ、自分が差配してやった、という恩着せがましいことは言わない。
その積み重ねでファンが増えて、選挙基盤が盤石に…という腹積もりもあったよう。
だが、そうだとしても何の力もなさそうな例えば「田舎のおばあちゃん」に親切にできるだろうか?一事が万事ということだと思った。

2つ目は、世の中を白黒はっきり決めつけず、グレーゾーン、中間に真理があると見ていたこと。
なるほど、常に自分の味方でいてくれる人・敵でいる人ではない、どっちでもない人が一番多い。
「どっちでもない人」は、その人にとって得なことであれば協力してくれ、損であれば反対する。確かに、ちょっと苦手意識を持ってしまい、「敵」に近い位置づけにしてしまった人でも、話せばわかって協力してくれることがある。
自分で勝手に「あの人はどうせ何でも反対する」と諦めてしまったり、理解してもらう努力を放棄しないようにしたい。