マンガ「腸よ鼻よ」(著:島袋全優)★★★☆☆

ネットニュースで、安倍首相の持病と同じ「潰瘍性大腸炎」になった著者の闘病生活を描く…と見かけて、ちょうど首相の辞任会見の後で「どんな病気?」と興味あったのと、サンプルページが面白かったのが読んだきっかけ。
今は3巻まで出てる。 

腸よ鼻よ 01

腸よ鼻よ 01

 

まずタイトルを、よく「蝶よ花よ」からもってきたな、と感心する。
「蝶よ花よ」には、闘病とは真逆の明るいイメージがあるけど、あえて?と。
蝶と腸の語呂がよかったから?花→鼻の意図はよくわからないけれど。

闘病記なのに、一貫して笑えるのがいい。
ふつう闘病記といえば、難病にかかって、しょっちゅう入院して、つらくてでも私頑張って生きていきます、みたいな優等生的な内容を想像するけど、これは全然違う。
読者に同情してほしいとか、感動してほしいなんて一切思ってないんだろうなと。
あくまでも著者の実体験をおもしろく描いてる。

安倍首相と同じ病気ということに興味があったから、どんな病気なのかだいたいの感じをつかめたのもよかった。
辞任するのもやむを得ないですよね、と。身体の方が大事だからどうぞ治療してください、という気持ちになる。

著者が漫画の連載を休刊するとき、入院や手術を「取材」と称してるのには、ほんと参った。
実際、入院や手術の経験を漫画にしてるから、取材の側面もあるんだろうけど、取材というと積極性を感じてしまうので。
ねらってないと思うけど、読むと前向きな気持ちになってしまう。