本『「自分だけの答え」が見つかる13歳からのアート思考』(著:末永幸歩)★★★★★

期待とのギャップ:★★★★☆
夢中になれる :★★★★★
発見あり :★★★★★
総合 :★★★★★

学校の「美術」って好きになれなかったけど、中学や高校でこんな授業を受けられたら全く違う思い出になっただろうなと思わせる。
小説のようにさらっと流し読みして、面白い・気分転換という本ではなく、ある程度真面目に読んだ。飛ばして読む気にならない、次々と「そうなんだ!」話が出てくるので、一気にちゃんと読んでも集中力続く。

「美術」を題材にして、今の環境が目まぐるしく変わり”正解”がない時代において「自分のものの見方」「自分なりの答え」を持てる思考法を伝えてくれる内容なんだけど、まずは前段の「美術」の授業として目からうろこ。

海外の有名どころの美術館行く前に知っておきたかった。
これからは絵を見るときに、もっと楽しめそう。今まで、知ってる絵だったり、自分の感性に合う絵は鑑賞していて楽しいけど、マイナー・理解できない色使い・形状だと1秒、いや3秒しか見る気になれなかった。
この本に書いてあるようなアウトプットしながら鑑賞とか、作者の思いや時代背景を蚊帳の外に置いて自分が何を思うか・感じるか・見つけるかに焦点を当てると、発見があって思いもよらない楽しみ方ができるはず。事実、この本で例示されている作品ではできたので。
1つ心配なのは、美術館行って、1つ1つの絵画の前でそんなことをやり始めたら見終わるのに時間がかかりすぎるし、体力消耗しすぎそうということ。3つくらいでしか実践できないかもしれない。

「美術」特に「絵画」の見方の話を、日常生活や生きる上での思考法へ…と普遍的な話につなげてるのも、まあそうなんだろうなと思うが、「美術」観点の話が面白くてその印象が強く残った。